CKBニュー・アルバム
「777」

セルフ・ライナーノーツ
横山剣


今回は豊作っつうか、曲がいっぱい出来過ぎて選曲に苦労しました。絞りに絞って。 それでも書き下ろし13曲、ストックが2曲、カヴァーが1曲、外注Remixが1曲、 ジングルが4曲で計21トラック。トラック数が多いからって「なんでもアリ」の バラエティー・ショップじゃしょうがないので、こう、色んなタイプがあるのに、 ちゃんと一本筋の通ったセレクト・ショップって感じを目標に、楽曲は勿論、曲間 ジングルに至るまで好みの音色とか、匂いとか、質感とか、ちょうどいいユルさと か、やるせな加減とか、グリッター指数とか、ちょうどいいインチキ加減とか、ま、 ああだこうだと口うるさく言いながらやりましてね。ええ。疲れました。で、今回 のテーマはズバリ「目眩」でス。貧血の目眩じゃなくて、例えばクール&ザ・ギャ ングの「サマー・マッドネス」、アイズレー・ブラザーズの「サマー・ブリーズ」、 或いはユーミンの「コバルト・アワー」や永ちゃんの「ひき潮」を初めて聴いた時、 体内を駆け巡ったあの感じ、脳にクラクラ来たあの感じを・・・、えええええっと なんの話でしたっけ。すみません。ま、そんな具合のCKBのニュー・メニュー「7 77」をひとつ御贔屓に! 
イイネ!イイネ!イイネったらイイネ!


1:7時77分
ディアンジェロやマックスウェル、或いはマーヴィン・ゲイの名作「ワッツ・ゴーイ ン・オン」のようなミディアム・スローなソウル・グルーヴにグッと来る今日この頃。 当然、それらは俺の曲作りにも大きな影を落とすわけで、この曲もその中のひとつか も。というわけで世界平和を祈念してラッキー・ナンバー「7」を3つ並べて時刻7:77(あり得ませんが)とするこの曲を本盤のタイトル曲とさせて頂きました。

2:BRAND NEW HONDA
自宅で簡単なオケだけ作って、あとはクルマん中で口から出まかせのフリー・スタイル(故に1回しか出て来ないフレーズ多数)でなんも考えずにスラスラと湧き出たメ ロディーでもって構成された曲。ちょっと前にハワイに行ったんですけど、あっちで 見る左ハンドルの日本車、特にホンダ・ブランドの車を見る度に、日本ではあまり意識しなかったホンダ車の魅力にときめいちゃったんだよね。で、ビーチボーイズに「 リトル・ホンダ」って曲があったなと思った途端、無性にホンダ車を曲中に登場させ たくなったと、ま、そういう事なんです。ほんのちょっぴりラガ風味入ってまス。

3:I LIKE SUSHI
最初はダンスホール・レゲエのような感じだったんだけど、やってるうちに高速ボッサのような作品へと変化して行きました。後半はちょっとヒップホッピーな展開にな るんだけど、Ja Ruleみたく黒くて野太い声のMCを入れたかったので、去年のシングル「GT」でGTGTGTって叫んでるスモーキー・テツニに参加してもらいました。題材 はロスのリトル・トーキョーに実在する「亀寿司」からヒントを得てまス。

4:爆発!ナナハン娘
70年代の東映のポルノ女優、杉本美樹さんのような、こう、トップレスで豪快にオー トバイに跨がるようなワイルドでかっこいい女のコというのをイメージして作ったローテクでハイテクなCKB流儀のガレージ・パンクです。クラブでテスト的にまわして みたけどフロアがかなりヒートしたよ!

5:赤と黒
これも「7時77分」と同じ気分から発生したソウルフルな作品かも。男が女言葉で 歌うという、ま、歌詞の部分では、ぴんからトリオ、殿様キングス、敏いとうとハッピー&ブルーに代表される日本の演歌/ムード歌謡の伝統芸を網羅してやっておりま す。CKBとしては希少のセクシーでソフト&メローな作品でございやす。

6:eye catch/世界にひとつのCKB
ジングルです。ハイテンポだけど、なかなかスウィートでソウルフルなメロディーだよ。

7:夜のヴィブラート
8:夜のヴィブラートKQ仕様
HIP HOPの気に入ったやつを適当にCD-Rに焼いて愛車キャディラックでドライヴ中、 Field Mobの「Sick of Being Lonely」が鳴った時、なぜかそのリズムに乗せてムード歌謡のような旋律が浮かんで来たので緊急作曲用テレコにアカペラ録音。HIPHOP のビートから発生した曲だから、そういうトラックでやるのが自然だろって事で、このようなチューンが出来てしまったと。で、どうせならRapも!という事で、以前「 肉体関係part2」でご一緒したライムスターに一発かましてもらったんですけど、か なりヤバヤバでゴキゲンなライム&間の手を決めてくれやした。多謝!で、同KQ 仕様はアネックスっていうかオマケdeath。

9:私立探偵マヒマヒ
ハマのギター魔人、小野瀬雅生に彼の十八番であるアメリカのTVドラマの主題曲風っ てのをひとつ作って頂!とリクエストしたらこんなにもコテコテにアメリカンで妙に懐かしい、まるで「ビバリーヒルズ青春白書」のテーマのようなテイストの曲が上がりまして。日系ハワイ人が主役の探偵ドラマといったイメージかな。タイトルのマヒ マヒは俺の提案でス。

10:美人(ミイン)
偉大なる韓国ロックの父、韓国のジミヘンと呼ばれたシン・ジュンヒョン先生のカヴ ァーで、小野瀬雅生がなんと韓国語で歌ってます。もちろん小野瀬のギターも炸裂し てます!こんなカッコイイ曲が1969年の韓国で大ヒットしてたんだという事に痛快 なショックを受けましてね。ええ。途中、Sunaga t Experienceの作品でもお馴染みのアシアナ嬢の韓国語MCが入りまス。

11:eye catch/あなたとわたしのCKB
ジングルです。ユーミンの「あの日に帰りたい」みたいな感じを高速ボッサにした未完成曲の「ここまで出来た」って部分をジングルとして流用しました。

12:真夜中のストレンジャー
子供の頃からの愛聴盤であり、今も僕の音楽のガイドラインたりうる名盤「円楽のプレイボーイ講座12章」(演奏:前田憲男とプレイボーイズ)の流れを汲む、いかにも CKB印な深夜族仕様のクールでちょっと間抜けなナンバーです。当事者に嫉妬する傍観者というのが歌のテーマでス。


13:涙のイタリアン・ツイスト
CKB初期の代表曲「葉山ツイスト」同様、短調のツイスト曲ですが、フレンチ・ロックンロール“YeYe”の影響下にある「葉山ツイスト」とは違い、コースターズの「B AD BLOOD」のような、Doo-Wopが基調だったりしまス。この曲を入れるかどうかは 非常に悩みどころだったんだけど、カラオケ・パブで館ひろし「朝まで踊ろう」や、 半田浩二「済州エアポート」等に乗せて溌溂とツイストに興ずる中年オヤジの図を夢想しやる気になりました。が、ちょっと後悔していまス。もう手遅れdeath。

14:Surf Side 69
1960年代ロックンロールを1980年代的解釈でやってみようと思って作った曲。この曲でリード・ヴォーカルを担当するのはベースの洞口信也です。「太陽のプレイメイト」 同様、テリー・ジョンスンさんの夏の海辺のイラストからイメージを膨らませて作った ノーカット、モザイクなしの愛と平和のメッセージでス。

15:パナールの島
ある日、フッと浮かんだ南国的なメロディーなんですけど、わりとパン・パシフィックと いうか、マーティン・デニーに代表されるエキゾチック・サウンドみたく仕上げたいと思 った時に、これはバンドでやるより、コモエスタ八重樫さんに外注したらイイ味に仕上が るんじゃないかと思ってお願いしたところ、とんでもなく素晴らしいオケが来まして。バ ンドなのに外注サウンドとは何事だ!と怒られるかも知れませんが、これもまた音の総合 商社CKBブランドの特異性って事でひとつ。

16:金龍酒家
なかなか歌詞が作れなくて10年以上もほったらかしになってた曲なんですが、こないだハワイの中華街行った時に、パーッと視界が開けて、ホテル・ロイヤル・ハワイアンの一室 で一気に詞が出来まして。ま、わりと古典的なサザン・ソウルっぽい感じとオリエンタル な感じが混在するロコモコみたいな曲でス。後半で入る中国語のMCは横浜中華街在住のイーホンちゃんという女性でス。


17:eye catch/
The Sound of Yokohama Yokosuka
ィ夜のムードのジャジーなジングルでス。

18:横顔
長者町フライデーのライヴでは非常にリクエスト頻度の多いソウルっぽいバラードでス。職業作曲家を目指してた頃、今をときめくあの人とか、その他、いろんな歌手のプレゼンに出 してたんですが、いつもボツにされた不遇の曲。やっとCKBの作品として晴れて録音する運びとなりました。これは過去に俺が泣かせて来た女たちの怨念が書かせた曲、というのは嘘 でス。

19:ボサボサノヴァノヴァ
これはオマケでス。第2ギター新宮虎児のフレンチ・ボッサな作品の作曲風景を記録して見ました。キャロルの解散時期に出た企画盤「グッドバイ・キャロル」みたいなラフな録音で 、中西圭一(サックス担当)の咳とかも入っちゃってますが、アレンジ次第では渋谷オルガ ン・バー仕様のクールな曲に化けるかも。

20:eye catch/Let's Go Crazy Ken Band
ジングルです。CKBメンバーの気合いの入った声がいいでしょ。

21:あ、やるときゃやらなきゃダメなのよ。〜Sunaga t Experience's du bop remix〜
シングルの寄せ集めみたいなアルバムにはしたくなかったのですが、それでも1曲ぐらいは入 れなきゃなと思いまして。でも、シングルと同じじゃあんまりなので、音の整形外科医、須永辰緒さんにRemixを頼みました。すごく生っぽくてジャジーというか、実際にすべて生楽器なんです。それこそCKBが演奏してるシングル・ヴァージョンの方がRemixっぽくて、こっちの方が原曲っぽいんですよね。須永さん、またまたイイ仕事してくれました!

The Sound of Yokohama-Yokosuka
お問合せ●株式会社サブスタンス
151-0063東京都渋谷区富ヶ谷2-41-10 /TEL 03-3460-8611/FAX 03-3460-8618

アーティストに関するお問合せは:info@djr69.com